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【24.01.09】新春座談会

 \; 地域の主役にふさわしい誇りと
 責任にかけて未来を切り拓こう

2023年を振り返って

山下 明けましておめでとうございます。今回は「人を生かす経営関連三委員会(経営労働・社員教育求人・障害者問題)」の委員長に加え、若手経営者を代表して本郷青年部長にもお越しいただきました。まず2023年を振り返ってお話しください。

平松 当社は取引先の自動車メーカーの車種変更に伴って注文が激減し、非常に苦しい状態に陥りました。そんな中で今年度の経営指針の発表会を開催し、銀行の支店長と担当者をお招きしたんです。そして「原材料費やエネルギー価格の高騰で多少の赤字は覚悟していたものの、売上まで減少したのは誤算だった」と正直に話しました。すると銀行も理解してくれて、その後の取り引きに影響することは一切ありませんでした。それは今まで指針書を毎年更新し続け、金融機関との信頼関係を築くことができていたからだと思います。同友会の経営労働委員長としては、成文化研修会にフォロー役で参加することで物事を客観的に分析する力が付いたと思います。ただ、そういった気づきを会内で十分に共有できておらず、なかなかフォローメンバーが増えないのは課題です。

料治 私も意識的に成文化研修会のフォローメンバーに加わるようにしています。当社は理念の浸透という意味ではまだまだ発展途上ですが、昨年はパートから短時間正社員に転換したスタッフに自主性が出てきました。あせらず気長に見守りたいと思います。障害者問題委員会ではメンバーの役割分担が進みました。会社も同友会も、個人に依存しないで組織的に活動するためには明確な指針が大切であることを実感した一年でした。

本郷 私は、会社でも青年部でも役割を明確にしながら、自分自身は実務から離れて情報収集を行い、方針を示したり軌道修正したりということに取り組んできました。意識的に現場を離れたことで多少時間もできたので、自社にとっての最優先課題は何かを見極めようと六月頃から全国大会に行きまくりました。そして辿り着いた結論は「どれも必要」ということです。同友会で組織づくりを学び、社員共育大学、幹部社員大学、経営指針のフォローにも全部参加し、いよいよ指針書に基づく経営実践の段階に入ったと思うので、これからは全ての根幹である「人を生かす経営」を追求していきたいです。

浅野 私はとにかく変化の激しさをヒシヒシと感じた一年でした。どんな変化にも対応できなければ、まず社員たちが音を上げるし、「会員さんの会社は大丈夫かな?」という気もします。社員教育求人委員会では今までの幹部社員大学のあり方を見直し、「部下を持つ人のためのマネジメント研修会」として大幅なリニューアルを行いました。上司と部下に挟まれてしんどいイメージのある中間管理職のモチベーションが高まる場、そして経営者自身も学べる場に変革することを目指しています。

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地域の主役にふさわしい誇りと責任

山下 お話を伺うと皆さん自社経営と同友会運動がうまくリンクしていますね。去年はNHKテレビ『日曜討論』に中同協の広浜泰久会長が出演し、中小企業の実状を訴える機会もありました。中小企業や同友会に徐々に注目が集まっているのを感じますが、それだけに社会的な責任も問われます。私たちは地域の主役にふさわしい誇りと責任を果たせているでしょうか?

平松 当社は製造業なので地域との直接の関わりが薄く、いつも悩みます。しかし地元の吉備中央町では組織規模の面で上位に入りますし、「賀陽」という昔の町名を社名に冠しているので、「名前に恥じないようにやっていこう」と社員に言っています。社員の多くが地元出身者なので、彼らが働きがいをもって仕事に向き合ってくれるように環境整備にも注力しています。

本郷 私は社員の意見で考えるきっかけをもらいました。「自分たちの仕事が地域の役に立っているのかどうか分からない」というので、私の考えを伝えたんです。例えば地域の人の雇用を生むとか、環境にやさしい商材を通じて環境の「美」に貢献するとか、地方にも充実した美容サービスを届けるとか。災害やコロナで地域全体が危機的状況になった時でも「美容」には人を元気にする活力があるし、私たちの出番なんだと。すると社員も納得してくれました。私は「社員が仕事に誇りをもって働けること」が地域の主役と呼べる会社の必須条件かな、と思っています。そのためには経営者が自社の社会的使命を日頃から社員に伝えておくことが必要だと思います。

浅野 弊社は23年度がちょうど中期計画の見直しのタイミングなので、今まさに社員と一緒に「どうなったら“地域の主役”と呼べるのか」を考えている段階です。責任とは「そうなりたい、やりたい、そうなる!」と自覚した時に初めて自分の中に芽生えるもので、決して他から与えられるものではないよね、と社員に話しています。

料治 私は障害者の実習を受け入れた時に責任を感じる場面がありました。放課後デイサービスの子どもたちに当社のぬいぐるみの製作現場を見学してもらった時、一人の女子高校生が「来年も社員を募集しますか?」と目をキラキラさせながら聞いてきたんです。「あっ、こういう子たちの夢を背負っているんだ」と感じて、良い経営者になることが自分の責任だと痛感しました。

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責任を果たし続けるために

山下 お話を伺うと皆さん自社経営と同友会運動がうまくリンクしていますね。去年はNHKテレビ『日曜討論』に中同協の広浜泰久会長が出演し、中小企業の実状を訴える機会もありました。中小企業や同友会に徐々に注目が集まっているのを感じますが、それだけに社会的な責任も問われます。私たちは地域の主役にふさわしい誇りと責任を果たせているでしょうか?

平松 当社は製造業なので地域との直接の関わりが薄く、いつも悩みます。しかし地元の吉備中央町では組織規模の面で上位に入りますし、「賀陽」という昔の町名を社名に冠しているので、「名前に恥じないようにやっていこう」と社員に言っています。社員の多くが地元出身者なので、彼らが働きがいをもって仕事に向き合ってくれるように環境整備にも注力しています。

本郷 私は社員の意見で考えるきっかけをもらいました。「自分たちの仕事が地域の役に立っているのかどうか分からない」というので、私の考えを伝えたんです。例えば地域の人の雇用を生むとか、環境にやさしい商材を通じて環境の「美」に貢献するとか、地方にも充実した美容サービスを届けるとか。災害やコロナで地域全体が危機的状況になった時でも「美容」には人を元気にする活力があるし、私たちの出番なんだと。すると社員も納得してくれました。私は「社員が仕事に誇りをもって働けること」が地域の主役と呼べる会社の必須条件かな、と思っています。そのためには経営者が自社の社会的使命を日頃から社員に伝えておくことが必要だと思います。

浅野 弊社は23年度がちょうど中期計画の見直しのタイミングなので、今まさに社員と一緒に「どうなったら“地域の主役”と呼べるのか」を考えている段階です。責任とは「そうなりたい、やりたい、そうなる!」と自覚した時に初めて自分の中に芽生えるもので、決して他から与えられるものではないよね、と社員に話しています。

料治 私は障害者の実習を受け入れた時に責任を感じる場面がありました。放課後デイサービスの子どもたちに当社のぬいぐるみの製作現場を見学してもらった時、一人の女子高校生が「来年も社員を募集しますか?」と目をキラキラさせながら聞いてきたんです。「あっ、こういう子たちの夢を背負っているんだ」と感じて、良い経営者になることが自分の責任だと痛感しました。

責任を果たし続けるために

山下 皆さん様々な場面で誇りや責任を感じとっておられるようですが、では、その責任を果たし続けるためには何が必要だとお考えですか?

料治 お子さんが生まれた時と同じ身長と体重のぬいぐるみを世界で初めて商品化したことは当社の誇りですが、奢ってはいけないと思うんですね。今回、経営指針を社内で発表した時に、自社の歴史や売上などの推移を初めて社員に説明しました。会社の歴史を知ることで製品に込めた思いやこだわりも誇りとして社員に伝わればいいなと期待しています。それから地道なことですけど、社員が自主的に立ち上げた5S委員会が会社周辺の清掃を始めるようです。社員がそうやって自主的に動ける環境を整えることも経営者の責任として果たしていきたいと思います。

平松 当社はBCP( 事業継続計画)を定期的に確認する時、まず「うちの会社は世の中に無くてもいい存在か?それとも無くてはならない存在か?」を社員に確認するんですよ。すると「うちの部品がないと車が一台も作れない」とか「うちの得意分野は県内唯一だから絶対なくしちゃいけない」などの意見が出ます。自動車産業のサプライチェーンの一角として製品を供給し続けてきたことは誇りに思いますし、最低限の責任を果たしていると思います。でも(株)小坂田建設さんなどは、地域だけじゃなくて業界全体も変えていくという志と誇りをもって経営している。そういうところは本当に見習うべきだと感じます。

浅野
 うちは「共創優位性」のキーワードに基づいて、他社と比べてどんな良さや強みがあるのかを掘り下げようとしています。環境測定の会社には営利的な面と非営利的な面があって、弊社で言えば前者は経済的に地域に貢献することです。後者は地域の環境教育に取り組むことです。例えば旭川の掻い掘り調査や児島湖流域清掃活動に参加して、地域の子供たちと一緒に環境保全活動をしています。でもそれらは当社の独自企画ではなく自治体主催のものです。「本当の意味で主役になるためには、我々自身が考え出した企画に対して行政や市民のみなさんに賛同してもらい、地域を良くしていかなきゃね」と社員に言っています。そういった活動を進めつつ、二五年度にスーパー・ビジョンを作ります!

山下 スーパーって、普通のビジョンと何が違うんですか?

浅野
 弊社は22年に50周年を迎えました。その時に、今までの50年を振り返るだけではなく、これからの50年もイメージしてみようという話になったんです。例えば、50年後には私たちは宇宙に住んでいるかもしれません。だとすると、そこを起点に現在まで遡って長期的なビジョンを考える―ということです。現在、若手を中心に考えてもらっていますが、彼らは瀬戸内海を人が管理する時代が来ると予測していて、その管理業務をしながら海を巨大な釣り堀にして世界に魚を売り込むと言っています。発想がデカすぎてさすがに僕もついていけない(笑)

山下 スケールが違いますねぇ!未来に一番関係が深いのは若い人たちですから社員の皆さんも力が入りますよね。本郷さんは社員さんとそういったことを話したりしますか?

本郷 そうですねえ。何と言うか、昔の常識が今の非常識になっていたりするじゃないですか? 80年代は「24時間戦えますか?」というCM のフレーズが当り前に聞こえましたけど、今は全く通用しませんよね。だから経営指針発表会でも「『超常識』ってなんなんだろう?」と社員と話し合ったんです。「超常識」というのは、物事を広い視野で捉えながら、時代に即した考えや社会の常識を読みとって「本当に正しいことは何か」を見極めることです。超常識を追求するためには、お客さんにとっても社員にとっても取引先にとっても「なくなったら困る」美容室じゃないといけない。目標数値を説明する時も「超常識を追求するためにはこの価格設定でこの目標が必要なんだ」と伝えています。失敗はたくさんありますが、「超常識」を追求すると地域の主役にふさわしい誇りを身につけられると思って取り組んでいます。

山下
 「超常識」が社内の共通言語になってるんですね。面白いな。

2024年の抱負

山下 では最後に今年の抱負を教えて下さい。

浅野 会社も同友会も同じですが、個人に依存しない組織体制の確立がテーマです。ただし、メンバーの責任が過剰にならないよう権限を分散させる必要があります。社員教育求人委員会ではマネジメント力の一層の向上を抱負にしたいと思います。

本郷 私は「リーダーシップの発揮」ということに意識的に取り組みたいと思っています。去年11月の経営者フォーラムでは、岡山同友会の理事として動員に少しでも貢献できるよう、参加呼びかけに取り組みました。その経験から、自社でも幹部社員にリーダーシップを発揮してもらおうと思った時、自分がどう動けばうまくサポートできるかという点でリンクするなと感じたんです。新春経営講演会では副実行委員長も仰せつかっているのでめちゃくちゃ頑張ります!

平松 私も経営労働委員会でリーダーシップを発揮して、メンバーが集まって打ち合わせする場を設けたいと思っています。組織として運営しながら幹部級の人材を育てることも課題です。自社に関しては今年から挑戦する新しい製造方法を軌道に乗せること、そして幹部社員の育成に注力しようと思っています。

料治 障害者問題委員会も同じですね。組織をより強固にする。と同時に次の委員長にバトンタッチできるような体制を整えたいと思います。自社では、“ホップ−ステップ−ジャンプ”の“ホップ”、つまり力を溜める年にします。将来的にグローバルな展開を考えているので、その基礎作りの年ですね。そのためには社員と共に育つ環境づくりをしながら指針書の作成を社員と一緒に進めていきます。

山下
 皆さんの今までの学びとこれからの取り組みを伺ってみると、全員が自社経営と同友会運動を両輪として語ってくださいました。そういった方々の活躍を会内に伝えていくのは我々広報委員会の重要な役割だと感じています。広報委員会にとって今一番必要なのは委員会を後継してくれるメンバーを増やすことです。様々な会員がいる中で同じ視点で考えるなんて無理だって諦めずに、どうしたら一緒にやっていけるか工夫しながらやっていきましょう。委員会、部会、支部がそれぞれに連携して飛躍の年にしましょう。

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