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【21.04.23】参加リポート/会内行事「中小企業問題全国研究集会from福島」

中小企業問題全国研究集会from福島
中小企業家の志が日本の未来を拓く

 \;  第1部「東日本大震災復興シンポジウム」の記念講演では、ジャーナリストで映画『Fukushima50』の原作者でもある門田隆将氏が登壇。「福島第一原発事故は日本人に何を問いかけたのか」と題して、被災当時の原発の状況や事故対応にあたった職員の様子を、生々しく語りました。その後、「東日本大震災『あれから10年』」のテーマでパネル討論が行われました。中同協REES(※1)代表の鋤柄修氏によるコーディネートの下、岩手同友会・田村満代表理事、宮城同友会・鍋島孝敏代表理事、福島同友会・渡部明雄副理事長の三人をパネリストに迎え、意見交換を行いました。討論は復興の現状と課題から始まり、震災直後から現在までの取り組み、その中で得た教訓などについて振り返り、現在のコロナ禍にも話は及びました。そして、危機に直面した時にこそ発揮される経営指針の重要性について討論がなされました。

 \;  「災害やコロナ禍の中小企業問題」と題された第2部では、中同協・中山英敬幹事長から、「気候変動問題と災害の時代」「ニューノーマル対応」「地域と中小企業の存続」という三つの観点から問題提起が行われ、「人を生かす経営」「新しい事業戦略」「持続可能な社会」のテーマでそれぞれの経営実践が報告されました。そして「今後も存続し続ける会社づくりのために、我が社が取り組むべきことはなんですか?」のテーマで、全国の参加者によるグループ討論が行われました。
 最後に中山幹事長が「これからの時代に、地域と共にコロナ禍を乗り越えて同友会の仲間と学びの輪を広げていきましょう」と締めくくり、閉会となりました。

(※1)REES:the Recovery from the great East JapanEarthquake & the Shift to a “sustainable society”
(東日本大震災からの復興と持続可能な社会を目指して)の略。
 中同協東日本大震災復興推進本部研究グループ


参加者リポート

第51回全研from福島に参加して
(有)サンテル 代表取締役 藤原 輝昌


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 「あれから10年」というパネルディスカッションでは、3.11の時の同友会の仲間たちの絆、そして幾多の試練を乗り越えてきた10年の歩みが紹介されました。「われら断じて滅びず」の心意気は、コロナも同じで「自社事業と地域についての考えをしっかり指針書に載せていればピンチを乗り越えポストコロナのチャンスを捕まえることができる」―などのお話は、私たちが直面しているコロナ禍を生き抜く勇気を与えてくれました。
テーマ別報告で特に印象に残ったのは、島根同友会代表理事の森山昌幸氏の報告でした。森山氏は新規事業に取り組む中で得た失敗と成功の体験から「新規事業を成功させるには、事業領域を明確化し、だれがいつどんな場面で何に困っていて、その解決策は何か。市場の大きさはどのくらいか―などの顧客解像度を高め、全社一丸で取り組むことが大切」と報告しました。現在の事業形態のままで将来存続できるのかと自問自答していた私にとって、森山氏の報告は、「人を生かす経営を実践する上で指針を作り科学性を一歩前進すべきだ」と背中を押されたようで励まされました。


「強い絆のもと われら断じて滅びず」に学ぶ
(株)ウイル 代表取締役 山口 陵子
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 門田隆将さんの講演は、映画では表現しきれない、吉田昌郎・福島第一原発元所長をはじめとする、真に命をかけて福島を、そして日本を守ろうとした一人一人の行動や想いが伝わり、涙なしでは聞くことができませんでした。「原発事故による悲惨で気の毒な福島」としか捉えられないことに福島の皆さんは多くのジレンマを感じていたそうです。世論が福島を同情的に見ている事が、より復興を遅らせていると福島の皆さんは気づいておられました。
 グループ討論では、福島の企業の方ともお話できました。震災後も、2019年の台風による水害に見舞われ、つい先日には大きな余震に襲われました。「相次ぐ危機に、社員さんのモチベーションはどのように保たれているのですか?」との質問に対し、「あの震災を経験すれば、どんな危機も超えられるとみんなが思っているようです」と冷静な回答でした。本研究集会で目にした真実の姿は、気の毒な被災者でなく、最後まで逃げず戦い続けた誇り高き姿で、今も一人一人が戦い続けているということでした。
 本当に知りたい情報は、混乱を避けるためにあえて報道が自粛され、伝えられないこともあります。それでも経営者として身近な人々の暮らしを守るためには、いかに正確性の高い情報を多く集め、取捨選択し実行に移すかが求められます。常にアンテナを張り、危機やリスクに対峙していかなければならない事に気づかされ、その手本となる福島の皆さんの力強さを感じた研究集会でした。


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