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【20.04.20】新連載【第8回】未来を描く★同友企業〜田中実業(株) 代表取締役 田中 康信 氏〜

未来を描く★同友企業<第8回>

田中実業(株) 代表取締役 田中 康信 氏
〒718-0013 新見市正田270
T E L:0867-72-8555
創 業:1960年 入会:2007年


 「え、ここが事務所ですか?」− それが田中実業を訪れた時の最初の印象です。元々は住居として使われていた建物だそうで、一見すると立派なお屋敷にしか見えません。玄関に足を踏み入れると、このまま土足でお邪魔するのが躊躇われるようなピカピカのフロアに立つ社員さんが応接室に案内してくれました。



建物からは想像できないんですが、田中実業さんは何を生業にされているんですか?

 燃料の卸売りがメインです。石油製品の取り扱いは、中核となる田中実業では約9割、グループ全体でもほぼ8割を占めています。他には、生コンクリート製造、ガス販売、農業法人、工務店なども手がけています。こんなに手広く広げるつもりはなかったのですが、後継者がいない地域の事業所を引き継いだり、担い手のいない農業をなんとかしたいという思いで少しずつ取り組んだりするうちに、現在のように広がっていきました。田中実業では約90人、グループ全体では約150人の社員が働いています。

経営指針成文化研修会は随分前に受講されていますが、その後いかがですか?

 父から「事業継承するぞ」と言われて、2001年に同友会に入会しました。そのタイミングで指針書を作り、04年に事業を引き継ぎました。今までは比較的順調にやってきましたが、これから電気自動車が主流になるにしたがって部品も変わるし、求められる技術も変わってきます。今後は車検だけではなく、車を使って新しいビジネスを展開していく道を検討する必要があると思いますね。
 わが社は「永く安心快適に」という使命で、予防整備をしながら「車に永く乗っていただきたい」との思いで経営しています。「永く」というのは、「一人の方に永く」ということではなく、「永く乗ってもらえる車」―つまり物を大切に使っていくという意識を込めています。経営理念も「使命」として考えると、社員も自分事として考えられるみたいですよ。

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若くして事業承継されたようですが、苦労したことは?

 事業の立て直しですね。僕は次男なんですが、兄も姉も早くに家を出てしまって、子供の頃から「自分がいつか社長になるんだろうな」と漠然と思っていました。父は地元でも名前がある程度知られていて、僕は会社はきっと儲かっているんだろうと信じ込んでいました。ところが大学卒後、他社勤務を経て新見に戻って入社してみると、予想は完全に覆されました。財務状況が非常に悪かったんです。大学では経営学を専攻していたので、自分の中には「こうしたらきっと良くなるはずだ」という方策もあったのですが、当時は周りが年上の社員ばかりでしたから意見が通りにくかったんです。それでもなんとか改革を進められたのは、社員の間でも潜在的な危機感があったからだと思います。実際、ガソリンスタンド業界は規制緩和などによってその頃から一気に状況が悪化しました。当社も18店舗あったスタンドの統廃合をしたり子会社の合併や役員報酬削減などを行い、必死の経営改善努力を続けてきました。

経営指針はどのように作り、社内で共有していますか?

 2007年に同友会に入会し、翌年には成文化研修会を受講しました。できた指針書を役員会議で報告しましたが、反応はほとんどありませんでした。そこからどう進めていいかわからず、しばらくそのまま机の抽斗で眠らせていました。しかし2014年にコンサルタントの助言を得てあらためて一から作り直すことを決意し、月に二回くらいの頻度で中堅社員を集めて話し合いながら、そこから1年半くらいかけて見直しを行いました。文章だけではなく、目で見て直感的に理解できるようできるだけ図表化して、方針も紙一枚で全て説明できるものにしました。その時に作った指針書が、現在に至るまでの基本形になっています。採用の時にこれを見せながら説明すると、中にはその場で「入りたいです!」と言ってくれる人もいて、非常に役に立っています。今後の課題は中間評価の仕組みを確立することですね。

発表後、どんな変化がありましたか?

 売上状況について自分の言葉で説明できる社員が増えてきました。僕自身も常に「次の年までに何か成果を出さなければ」と思うようになりましたね。指針書に書いているからこそ始動できた事業もあります。有給休暇についても、全員の消化状況を示して管理職にも取得を促したことで、社内全体が「遠慮しなくても取得していいんだ」という雰囲気に変わってきました。

将来の展望は?

 新見では少子高齢化が進んでいますが、我々のような地元の企業が頑張らないといつまでたっても新見が活性化しないと感じています。そのためにも地域が目指す将来像と、会社の方針とを重ね合わせながら考えていく必要があると思っています。石灰は新見の経済を支える大きな地域資源ですが、域外のお金を域内に還流できる「外から稼ぐ」柱がもっと必要です。そのためにも食や観光にもっと力を入れるべきだと思います。当社も農業や林業などの分野への進出も含めて、地域の成功事例と言えるビジネスモデルを示したい。将来的には食肉加工や飲食業の展開も視野に入れ、畜産などの第一次産業分野にもさらに注力したいと考えています。そして一人でも多くの方に新見に訪れていただき、新見の活性化につなげたいと思います。


取材後に放牧場にて

 取材後、同社のグループ企業で千屋牛の育成を手掛ける(株)いろりカンパニーに案内いただき、放牧の様子を見学しました。のんびり放し飼いされている牛たちは、飼い始めてまだ3年。利益が出るまではもう少し時間がかかるそうです。いずれ私たちの口にも入るかもしれない牛たち…と思うとなんだか複雑な気持ちになりますが、元気に育ってください。
(たより 奥野実羽心)  \;

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